2006年に法律が改正されてから一戸建ての新築またはリフォームをする際には必ず住宅用の火災警報器を設置することが義務付けられています。
設置内容は実に細かなものであり、どこにいくつ付けるなどの細かなルールがあります。
ではなぜ火災警報器の設置が義務付けられる様になったのでしょうか。
火災による死亡者は年々増えている
総務省消防庁の調べによるとある年の建物火災で死亡した人のうち、90パーセントは住宅火災で亡くなっています。
普段生活している住宅の中で逃げ遅れたことが死亡の大きな要因となっているのです。
昼間であれば火災が発生すれば早く気づいて逃げることが出来ます。
ですが夜、就寝している時に火災が発生しても気づくことが難しいのです。
火災で死亡する原因は火ではなく、煙にあると言われています。
煙を吸うことで呼吸を妨げられ一酸化炭素中毒などを引き起こして死亡してしまったり、避難経路を妨げられてしまうのです。
火に巻かれて死亡したのでないのであれば早く火災に気づくことで煙による恐怖からもいち早く逃げることが出来ます。
これが住宅火災警報器の設置が義務付けられた理由です。
火災警報器が鳴ることで就寝していても火災に気づくことができ、いち早く逃げることが出来ます。
住宅火災の原因で多いもの
たくさんの人が命を落としている住宅火災はタバコやストーブ、コンロなどによる出火が主な原因です。
完全にタバコの火を消さずに寝てしまったり、鍋をコンロにかけたまま他の部屋で何か別のことをしていたり、ストーブにカーテンなどがかかってしまっていたりと何気ないことが大きな火災へと繋がります。
そこでこういった出火にいち早く気づくことができ逃げたり消火活動を行なうことが出来るきっかけになるのが火災警報器なのです。
火災警報器は電池式のものが多いので定期的に安全確認として電池交換などをしておきましょう。
悪徳業者に注意
火災警報器は新築の一戸建て、リフォームをする一戸建てに設置することが義務付けられていましたが現在では全ての住宅への設置が義務付けられています。
既存住宅の設置期限などは市町村の条例によって定められており、完全に全ての住宅に設置が完了したわけではないのですが、ほとんどの住宅に設置されていると言ってもよいでしょう。
そこで気をつけたいのが火災警報器を法外な価格で売りつける訪問販売などを行なう悪徳業者の存在です。
実際にこういった業者による被害は国民生活センターなどに寄せられており、不安を煽ったり、早急な設置を進めたりする場合には疑ってよいでしょう。
海外の一般家庭では、火災警報器の普及率が80~90パーセントと非常に高く、設置するのを検討することは必要ですが、自治体が早急に設置を進めることはありません。