不動産関係の記事で、「福島県のいわき市では、人口が急激に増加しており土地の価格が高騰している」というのが出ました。このことが報道されたのは少し前ですが、実は以前から「いわき市の土地は価値が上がっている」といわれていました。特に福島県民の間ではよくいわれっていて、そちらからすれば「何をいまさら」という話かもしれません。
では、なぜいわき市の土地が高騰しているのでしょうか。
原発事故の影響から、いわき市の土地が高騰中
いわき市の土地価格が高騰している理由は、2011年に起きた東日本大震災にあります。
「未曾有の大震災」といわれた東日本大震災。このとき、福島原発が爆発したことをご存知ですよね。
この時、原発事故の影響から近隣の市町村が「全村避難」と指定されました。また、避難地区になっていなくても「健康被害が心配で、自ら自主避難をした」という人もいます。
こうした人たちが、第二の住まいとして選んだのが「いわき市」。
原発事故の影響から避難を決めた人のほとんどは、福島県の沿岸に住んでいる人たちでした。
だから「なるべく環境を変えたくない」という人が、いわき市を選んで移住したのです。
いわき市は放射能の量も少ないですし、雪もほとんどふらない穏やかな気候ですので、住みやすいということもあったのでしょう。
このため、移住者が増えたいわき市では、土地が高騰しているのです。
いくつかの村や町では避難解除がされたものの、すでに「もう戻らない」ときめ、いわき市に定住することを決めている人もいます。そういう人がいわき市の家や土地を購入した為、土地の価格が高騰してしまっているのです。
震災前は人が入らなかったアパートやマンションも、今はぎっしりと人が入っている状態。
それどころか、それでも家が足りないというのですから驚きですよね。
しかし、問題も大きい
急激な人口増加を向かえたいわき市では、いろいろな問題が出始めています。
たとえば、人が大量に移住したために病院の数が足りなくなっているという問題。
人が増えれば、それだけ多くの病院が必要になります。それでも、病院というのは急激に増やすことができるわけではありませんよね。患者が増えたせいで、看護師も足りなくなっているそうです。
この為、どうしても「必要な医療を受けることができない」ということも増えてきていて、だからこそこの問題はとても大きいのです。いわき市では、震災から移住してきた住人に対する反発も起きており、今後もこの問題は大きくなりそうですね。