建築士には、一級建築士や二級建築士の他に、「管理建築士」「構造設計一級建築士」「設備設計1級建築士」など多くの関連資格が存在します。
それぞれの資格によってできる仕事の内容がことなり、より大規模で高度な設計ができる仕事ほど、高度な知識や実務経験が求められるのです。
木造に特化した木造建築士
そのような建築関連資格のなかのひとつである「木造建築士」は、木造の建物に特化した建築資格です。
木造建築士は、木造のたてものに対しての設計や工事監理などができるしかくで、小規模な建物が対象となっています。
木造の建築物であっても、延べ面積が300平方メートルをこえるものや、3階建て以上のものについては、2級建築士や1級建築士でないと設計できないことになっているので、木造建築士が設計することができるのは小さな民家や店舗、事務所などの小さなたてもののみ、ということになります。
木造建築士の資格を取得する場合でも、他の建築士と同様に受験資格に必要な条件を満たしたあとに国家試験を受験してそれに合格する必要があります。
基本的には二級建築士と同様の条件が求められ、大学や専門学校で建築関係の学科を専攻し、それに加えて実務経験が必要な場合もあるのです。
試験科目も二級建築士と同様に建築に関する基本的な学科試験と、実際に図面を書く設計製図の実務試験によって成り立っています。
これらに合格することで木造建築士となることができます。
実務経験が重要
建築士の資格は木造建築士に限らず、いずれも実務経験がとても重要視されます。
4年制大学で建築を学んだ場合には実務経験がなくても建築士試験の受験資格を得ることができますが、それ以外の場合では最低でも1年、長い場合には7年もの実務経験が必要となります。
学校などで学んだ科目や単位の数が多いほど実務経験は少なくても建築士の受験資格をえることができますが、いずれにしても実務経験ゼロでの受験ができるのはごく限られた人だけになるのではないでしょうか。
そのため、建築関連の学校などを卒業した後は、資格を持たないまま建築事務所などに就職をして、そこで実務経験を積みながら受験資格を得ることのできる年数に達するのを待つというケースが多いようです。
木造建築は、最近は少なくなったように見えるかもしれませんが、木の家の持つ機能性の高さなどからその良さが改めて注目されている分野。これからの時代に求められているものなのかもしれません。